ちょっと落ち込むことがあったぽかぽかした日に、景色が見えるベランダの窓の前で正座して思い返していた私。
はぁーあ、と思いながら気分を変えようと、景色を見るためベランダに出ようと正座から立ち上がりかけたその時、パタパタパタパタッ・・・と、何かベランダの手すりに飛んで来た。
何だと思いそっと見ると、青紫色の鳥だった。
この鳥さんかどうかは知らないが、同じ色の鳥が以前にも来たことがあって、私は鳥さんの名前を調べていた。
この鳥さん「イソヒヨドリ」と呼ばれてるようだ。
鳥さんはベランダの手すりに着地するなり、すぐに「ピーヒョロロ、ピーピーピーピィー、ヒョロロロロ、ピィーピィーピィー」と、静かな住宅に響くきれいな声で歌い出した。
彼のLiveを邪魔してしまうかも・・っていうのと、羽を休めに来てくれたのに自分が動くと、びっくりして逃げてしまうのが悪いと思い、私は立ち上がりかけてた片足を引っ込め、元の正座態勢に姿勢を戻し彼を見守ることになってしまった。
今思うと、自分が住んでる所で何でこんなに気を使う必要があるんだろう?
それはさておき、鳥さんのコンサートは3分ほどで終了した。
歌も終わったし、そろそろ退散だなと思い見守っていたが、
この人、なかなか帰らない・・・。
ずーーーーーーーーーーーーーーっと景色見てのんびりしてる・・・。
ときおり、しっぽのような尾羽を上下にふりふりしながら、右へ左へと頭を動かし、まったりと。
この間、私は正座態勢のまま身動きがとれなくなっていた。
鳥さんマッタリするのはいいけど、私の正座の事も考えてほしい・・。そろそろ足がしびれてきた。
鳥さんに私の動きがバレないよう、ときおり正座してる足をそっと組み替え、鳥さんが帰るのをひたすら見守った。
結局30分近く滞在していた鳥さん。ふとした瞬間ようやく鳥さんは飛び去って行った。
私はほとほとくたびれてしまった。
鳥さんの突然の訪れに落ち込んでいたことが晴れて良かったのだが、代わりに足がしびれて少しの間再び悩むことになったのと、自分の家なのに鳥さんに気を使って、なんだか相席食堂みたいな感じになってしまったことには苦笑いをせざるを得ない私であった。